世界の労働生産性 【教育・科学技術イノベーションの現況【2023年版】】

2024.05.22

3-2-4  世界の労働生産性

 労働生産性を示す指標として、労働時間当たりのGDPの額が用いられる。労働投入量が他の生産要素と組み合わされ、生産プロセスにおいてどの程度効率的に使われたかを測るものである。労働投入量は、生産に従事するすべての人の総労働時間として定義される。労働に関わる労働投入量とアウトプットとの比率は、他の投入物(資本、中間投入物、技術、組織、効率の変化、規模の経済など)の存在や使用状況に大きく依存するので、科学技術の成果の活用状況が関連している指標の一つと見ることができる。なお、この指標は、米ドル(2010年の恒常価格およびPPP)で測定されている。

 2021年のトップはアイルランドの139ドル、2位はルクセンブルクの119ドル、3位はノルウェーの106ドルとなっており、上位10か国を見るとアメリカ、ドイツ以外はヨーロッパの人口の少ない国が並んでいる。日本は49ドルで第27位の位置にある。これはアメリカの約6割にとどまっており、さらにOECDの平均60ドルを下回っている。これから更に人口減少が続く日本において、経済の発展を図ろうとするならば労働生産性を向上させることが大きな課題である。

 さらに各国の状況を時系列で見ると、日本は、2000年21位29ドル、2011年20位41ドル、2021年27位49ドルと順位を落としている。日本の順位はG7の中で最下位である。

 これに対して、例えばトップのアイルランドは、2000年15位35ドル、2011年3位65ドル、2021年1位139ドルとなっている。アイルランドは10年間で2.1倍と別格の上昇を示しているが、その他アメリカ、ドイツ、フランスなども1.3倍を超える上昇となっている。OECD諸国の平均も1.3倍であり、日本の伸び率が低いことが際立っている。

 なお、以上は時間あたりの労働生産性であるが、一人あたりの労働生産性においても日本は2021年に28位78000ドルであり、3位アメリカの141000ドルの55%の水準にとどまっている。

(桑原 輝隆)

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